1967

ONCE I  WAS/TIM BUCKLEY/from GOODBYE AND HELLO(tim buckley)

 声だけで天才というと、ブライアンウィルソンとか、ミニーリパートンとか、75年までのロバートプラントとか、ロバート ワイアットとかが考えられる。この人もアシッドフォーク?の代表格として67年から数年間にかけて活躍した。商業的に成功したのは、比較的聞き易いこのアルバムぐらいである。本領発揮するのは、これからあとなんだが、12弦ギターをバックに圧倒的な声量で歌われる曲は、何か違う世界につれていってくれる。この作品には、ブラッド スエット  アンド ティアーズのファーストに収録されているモーニング グローリーも入っている。バックアップには、盟友のリー アンダーウッドやBS&Tに入るジム フィールダーもいる。また、プロデュースは、ラヴィング スプーンフルのジェリー イェスターが担当しているので、結構わかりやすいフォークサウンドに仕上がっている。このアルバムの発表後のイギリスツアーは、ドリームレターというすばらしいライブアルバムとして残されている。
 ONCE I WASは、そのドリームレターの最後を飾る名曲である.センシティブで表情豊かなティムバックリーのヴォーカルをシンプルなギターをバックに聞かせてくれる.
 
 時折、ぼくは「ほんのつかの間でも、君はぼくのことを思いだしてくれるだろう か?」とは思わずにはいられない。

と、寂しげに歌うティムバックリー。ぼくは、あなたのことを忘れない 
(2001年1月27日)

HEROIN/VELVET UNDERGROUND /FROM
VELVET UNDERGROUND AND NICO(LOU REED)
伝説のバンド、ヴェルヴェットアンダーグランドのファーストは、バナナのジャケットで知られる名作である。発売時は、あんまり売れていないが、ヴェルヴェット アンダーグランドのファンは、みんなミュージシャンになったといううわさ話があるぐらいにミュージシャンズ、ミュージシャンとされている。ドイツの暗闇の歌姫ニコ、ポップアートの親分のファクトリー所属のアンディウォーホールがわけプロデュースをしているが、何に貢献しているかは音からはわからないが、イメージ的には何かあこがれるものがある。内ジャケットのウォーホールの写真がかっこいい。音的には、ルーリードのシンプルかつ、非凡な曲にジョンケイルのアレンジで圧倒的な雰囲気を作り出す。ルーリードのヴォーカル・ギターとジョンケイルのヴィオラによる火花を散らした白熱戦。スターリングモリソンとモーリーンタッカーのシンプルなバック。特に、モーリーンタッカーのドラムは、ずっと同じとをどんどんどんどんとするばかりのが多いのだが、それがまたこのアルバムの曲の緊張感を高めている。
 ヘロインは、この人たちの代表曲である。歌詞の内容は、詳しくは知らないが、連続して、かつドローン効果的にならされるヴィオラの音と、ルーリードの低く乾いた声、そして、どんどんどんどんと同じ音ばかりを鳴らすモーリーンタッカーの太鼓で重たい雰囲気をしっかり出している。途中ヴィオラが狂ったように鳴り響くところでは、人の苦悩を表しているかのようだ。
 ジョンケイルは、次作のホワイトライト・ホワイトヒートまででやめてしまうが、ルーリードとの作り出したこの2作の世界は、その後のロックを買えたと行っても過言ではないだろう。
(2000年12月17日)

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